☆たつ年…会って語らず、以心伝心にて人生の機微を知る
東京新聞TOKYO Web
平成30年12月2日から引用
言葉ほど便利なものはありません、古来、人は言葉を発し文字を使うことによって脳が発達し、ここまでの進化を遂げてきました。
動物と人間の進化の差は、この言葉や文字にあるといっていいでしょう。
さて、ではそれだけがこの世の真実でしょうか。
実際は、言葉や文字を持つことによる進化は、一つの時代の側面でしかありません。
確かに、言葉や文字は便利です、それによって、同じ言語を共有するものは、意志の疎通ができます。
ただ、本来の人間というのは、言葉を使わずとも意志のやり取りができる。
以心伝心という表現がありますが、心と心で語り合うことができるのです。
その能力が落ちてしまったことが、動物と人間の進化の差ともいえます。
心と心のやり取りは、偽りがありません。
隠し事もありません。
人は、言葉を使うことによって、自分の心を隠すことをしてきました。
自分の真実とは違う言葉を使うことにより、その場をコントロールしようとしたのです。
自分の心を隠し、偽りを以て人と接してきたのです。
しかし、そうしてお互いがお互いに隠し合い自己防衛をし続けてきた結果、相手の心が分からなくなってしまいました。
言葉を重ねることの影響力と、心を通わせることの難しさに気付くとき。
人の機微の深淵なるを知る。